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結論:乗り換えの動きはあるが、中小企業のホームページは、まだWordPressで大丈夫です

2026年10月にPHPの重大な脆弱性が公表されてから、「この機会に、WordPressからEmDashへ乗り換えよう」という動きが、少なからず見られるようになりました。

EmDashは、よく考えられた新しい仕組みです。ただ、中小企業や店舗のホームページなら、いまはWordPressを更新しながら使い続ける方が現実的だと、フリーライは考えています。

理由は大きく4つです。

  1. 使われている数が、けた違いに多い
  2. テーマとプラグインは、そのまま移せない
  3. 作れる人、頼める人、調べられる情報が、まだ少ない
  4. PHPの脆弱性は、更新すれば防げる

そもそも、何が起きているのか

2026年10月21日、WordPressを動かしているプログラムの言語「PHP」に、重大な脆弱性が見つかったことが公表されました。ログインしなくても、外からサーバーの上でプログラムを動かされてしまうおそれがあるものです。

この件と、WordPressを使い続けていいのかについては、こちらの記事でくわしく書いています。

このニュースのあと、「PHPを使わないCMSに乗り換えれば安心」として、EmDashへの移行をすすめる記事や、移行を手伝うサービスの案内が出てくるようになりました。実際に、ブログをEmDashに移したという報告もあります。

EmDashとは

EmDashは、Cloudflare(クラウドフレア)という、世界中のサイトの通信を支えているアメリカの会社が作った、新しいCMS(ホームページを管理する仕組み)です。

  • 発表:2026年4月1日。Cloudflareは「WordPressの精神的な後継」と紹介しています
  • 正式版:2026年9月28日に、正式版の「EmDash 1.0」が公開されました
  • 仕組み:PHPを使わず、TypeScriptという言語と、Astroという仕組みで作られています
  • 動かせる場所:Cloudflareのサービスの上が一番向いていますが、Node.jsが動くサーバーでも動かせます
  • 料金:EmDash自体は無料で、誰でも使えるオープンソースです
  • 実績:Cloudflareは、2026年8月に自社のブログをEmDashに移しています

EmDashの、いいところ

公平のために、EmDashのいいところも書いておきます。

  • PHPを使わない:今回のようなPHPの脆弱性の影響を、そもそも受けません
  • プラグインの権限を絞れる:WordPressのプラグインは、基本的にサイトの中のあらゆることができます。EmDashでは、プラグインごとに使える機能を決めて、ほかから切り離して動かす仕組みが用意されています
  • 表示を速くしやすい:Cloudflareの仕組みと組み合わせると、たくさんのアクセスにも強い構成にできます

WordPressの脆弱性の多くは、プラグインから見つかっています。そこに正面から取り組んだ設計なので、注目されるのはよく分かります。

まだWordPressが現役だと考える理由1:使われている数が、けた違いに多い

世界のサイトの利用状況を調べているW3Techsによると、2026年10月29日時点で、WordPressは世界の全サイトの39.5%、CMSを使っているサイトの58.3%で使われています。

一方、EmDashは、まだこの統計に名前が出てきません。正式版が出てから、まだ1か月ほどです。

使っている人が多いということは、それだけ、困ったときの情報や、引き受けられる会社や人が多いということです。

理由2:テーマとプラグインは、そのまま移せない

EmDashには、WordPressから記事・固定ページ・画像・カテゴリなどを取り込む機能があります。ただ、公式の説明にあるとおり、WordPressのテーマやプラグインは、EmDashでは動きません。

つまり、乗り換えるときは、次のものを作り直すことになります。

  • ホームページのデザイン(テーマ)
  • お問い合わせフォーム、予約、ネットショップなどの機能(プラグイン)
  • SEOの設定や、ページの転送の設定など

記事が中心のブログならまだしも、お問い合わせや予約を受けている会社のホームページでは、作り直しに近い費用と時間がかかります。

理由3:作れる人、頼める人、調べられる情報が、まだ少ない

EmDashは、まだ始まったばかりの仕組みです。公式の説明でも、次のことが書かれています。

  • プラグインを作るための公式の仕組みは、まだ開発途中の段階
  • 画面上でパーツを並べてページを作る機能(ページビルダー)ではない
  • データベースやバックアップ、更新の管理は、使う側の責任

WordPressのように、「管理画面から、社内の担当者が文章や写真を気軽に直す」という使い方ができるまでには、もう少し時間がかかりそうです。また、EmDashで作れる制作会社や、困ったときに頼める人も、まだ多くありません。

理由4:PHPの脆弱性は、更新すれば防げる

今回のPHPの脆弱性は、PHPを修正版に更新すれば防げるものでした。フリーライのホームページも、レンタルサーバー会社によって、すでに修正版に更新されていました。

もうひとつ大事なのは、EmDashに乗り換えても、更新や保守がいらなくなるわけではないということです。EmDashも、動かしている仕組みも、更新が必要です。問題が起きたときに、すぐ確認して直せる人が必要なのは、どの仕組みでも変わりません。

乗り換えを検討するとしても、いま動いているWordPressのPHPの更新は、乗り換えを待たずに、先に済ませてください。

EmDashへの乗り換えを考えてもいいケース

次のような場合は、EmDashを選択肢に入れてもいいと思います。

  • 社内に開発者がいて、作ったあとも自分たちで直し続けられる
  • 記事が中心で、お問い合わせフォーム以外のプラグインをほとんど使っていない
  • すでにCloudflareを使っていて、その上でホームページを動かしたい
  • 新しく小さなサイトを作るので、作り直しの心配がない

フリーライの方針

フリーライは、当面は、お客様のホームページの制作も保守も、WordPressを中心に続けます。いまの中小企業や店舗のホームページにとって、作りやすさ、直しやすさ、引き継ぎやすさのバランスが一番いいからです。

一方で、EmDashの動きは追いかけていきます。向いているご相談があれば、選択肢のひとつとしてご提案します。

よくある質問

EmDashは、WordPressより安全ですか?

PHPを使わないことや、プラグインを切り離して動かせる設計は、安全面で考えられた作りです。ただ、どんな仕組みでも、更新を続けなければ安全は保てません。仕組みの違いより、「更新し続ける人がいるか」の方が、安全に大きく関わります。

いま、新しくホームページを作るなら、どちらがいいですか?

お問い合わせや予約を受ける会社や店舗のホームページなら、WordPressをおすすめします。テーマの選び方は、こちらの記事で紹介しています。

WordPressのホームページを、EmDashに移してもらうことはできますか?

まずは、いまのホームページで使っているプラグインや機能を確認し、移すと何を作り直すことになるのかをお伝えします。そのうえで、移す価値があるかを一緒に判断しましょう。

最後に:仕組みを変える前に、「誰が守るか」を決める

新しい仕組みが出てくると、乗り換えれば問題が解決するように感じるかもしれません。でも、ホームページの安全を守るのは、仕組みそのものより、更新し続ける人がいるかどうかです。

いまのWordPressのホームページが大丈夫か気になる方は、無料ホームページ診断かお問い合わせから、お気軽にご相談ください。

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