ホームページ制作会社は数多くあるため、依頼のために選定しようと思っても迷ってしまう方は多いのではないでしょうか。
ホームページ制作会社選びで失敗しないためには、選定のコツや依頼時に注意したいポイントがあります。
ここでは、後悔しないホームページ制作会社選定の基準や注意点等について詳しく解説します。満足度120%の制作会社選びにぜひ活用してください。
ホームページ制作会社選定の前に準備すべきこと
後悔しないホームページ制作会社選定のためには、実は事前の準備が重要です。依頼する側のビジョンが明確でないと、選定の際に社内で意見がまとまらなくて、トラブルの元にもなりかねません。6つのステップでしっかり準備しておきましょう。
現状の課題や悩みを整理する
すでにホームページがある場合もそうでない場合も、ホームページ制作を依頼するに当たって抱える課題や悩みを整理しておきましょう。制作会社に依頼することで何を解消したいのかがわかっていると、受注側もやるべきことが見えてきます。
その際、できるだけ詳細に課題を挙げておくのもポイントです。具体的であればあるほど、改善のためのアクションも具体的になります。
WEB制作会社にすべて伝えなくても、社内で共通の意識があればその後の運用もスムーズにできます。
ホームページ制作の目的と活用方法を明確にする
現在の課題を整理したら、次はホームページ制作の目的を定めておきましょう。ホームページ制作の目的は、主に次の5タイプに分けられます。
- 集客…購買者への関心を高めてECサイトへ誘導、ニーズ喚起など
- 売上…広告または販売サイトとして活用など(直接的に売上へとつなげる施策として)
- ブランディング…企業イメージの確率、会社概要など
- 採用…求人を目的とした企業アピール、採用フォームなど
- 顧客サービス(サポート等)…既存顧客へのサポートやサービスとして
目的が定まったら、どのようなアプローチにするのかを決めます。その過程で、ターゲットと自社の強みも整理しておきましょう。ターゲットと自社の強みがはっきりしていると、より効果的なアプローチの仕方を導き出すことができます。
例)
ターゲット | 目的 | 強み | アプローチ方法 |
スポーツジムを探している社会人 | スポーツジムの知名度を上げたい | 駅から徒歩5分内の立地が多い | ビジネスマンに向けて体調管理のコンテンツを発信 駅名も多様してアピール |
アプローチ方法は1つとは限らないので、ホームページ制作会社に依頼・相談する前にできるだけ多く挙げておくのがおすすめです。
ホームページ制作のゴールを視覚化する
課題やホームページ制作の目的、活用方法などが鮮明になったら、次は実際の依頼内容を視覚化しましょう。
具体的には、完成イメージに近い参考サイトをピックアップします。ホームページ制作の目的や活用方法といった方向性が同じで、デザインの異なるサイトをいくつか挙げておきます。ゴールが視覚化されていると、社内での情報の共有や意思の統一がしやすく、ホームページ制作会社との連携もスムーズになるからです。
ただし、あくまでも参考のため、参考サイトのイメージに固執しないように気を付けてください。
ホームページの運用・管理の方針を決めておく
ホームページ制作の依頼を検討する際は、デザインや掲載内容、SEO施策などに目が行きがちですが、ホームページは公開後の更新や運用がとても重要です。制作会社に依頼するにあたっても、運用や管理の方針をしっかり定めてから望むようにしましょう。
できれば、社内での会議や制作会社との打合せにホームページの運用・管理の担当者が同席するのが理想的です。担当者ならではの視点で制作会社選定の基準や運用に関する意見を聞くことができます。制作物への理解も深まり、実際の業務がスタートした際もトラブル回避が期待できます。
ホームページ制作の予算を算定する
制作依頼するホームページの概要がまとまったら、予算についても忘れず算定します。
ここで重要なのは、追加費用が発生する可能性を考慮して、予算にゆとりをもたせることです。算定した予算の1〜2割は予備費として考え、選定した制作会社には予備費を除いた金額内で発注できるようにします。
また、制作後の維持・管理費についてもこの段階で算定します。ランニングコストがかかりすぎると、健全なホームページの維持が困難になるため、制作依頼の一環として維持・管理についても確認しましょう。
サイト公開の予定日を決定する
最後に、サイトを公開する日程を決定します。公開日から逆算して納品日まで設定しておくと、ホームページ制作会社選定のスケジュール等も定まり、打合せの日程などが決めやすくなります。
日程も予算と同様にゆとりをもたせるようにします。多少のトラブルや変更はつきものですので、スケジュール通りに進まなくても最終ゴールに間に合わせられるのが理想的です。
ホームページ制作会社選定のポイント
事前準備が終わったら、いよいよホームページ制作会社の選定です。世の中には数多くのWEB制作会社があるため、なんとなく選定を始めてしまうと後で選びきれなくなったり、違いがわからなくて困ったりする可能性があります。安易に選んで後悔しないためには、次の8つの選定ポイントをよく吟味してみてください。
- 実績の確認
- 自社サイトの作りこみをチェック
- WEB制作会社の強みが自社に合っているか
- 制作後のフォローなどサポート体制が整っているか
- 予算内で希望通りに制作できるか
- 提案能力があるか
- 十分なコミュニケーションが取れるか
- 複数のWEB制作会社を比較
当然のことと思う項目もあるかもしれませんが、確認も兼ねて各項目の中身を確認してみましょう。
実績の確認
ホームページ制作会社の選定で欠かせないのが実績の確認です。担当者の多くは真っ先に確認する項目ですが、実は失敗しやすいポイントでもあります。選定の基準がないままに閲覧し、無意識のうちに見栄えや好みから優越を付けてしまうケースが少なくないからです。
客観的に実績をチェックするには、次の4点に注目してみてください。
- WEB制作の実績が豊富か
- 自社と近い業種、または同業種の制作実績があるか
- 自社が求めるデザイン力があるか
- 上場企業や有名企業のホームページ制作を請け負ったことはあるか
たいていの制作会社はホームページに制作実績を掲載しているので、制作件数とポートフォリオの両方をチェックしておきましょう。多ければ多いほど、安心して依頼できます。同業種での制作実例があれば、自社が依頼する際も理解度が深くなり、イメージの共有も楽です。自社の強みを生かしたサイトになることも期待できます。
また、事前準備で視覚化したイメージと同等以上のデザイン力があるかどうかも実績から知ることができます。上場企業のWEB制作実績などがあるとさらに理想的です。
自社サイトの作りこみをチェック
ホームページの重要性を理解しているWEB制作会社は、当然ながら自社のサイトもしっかり作りこんでいます。デザイン力はもちろんのこと、制作会社の強みやこだわり、クオリティなども見えてくるので、必ずチェックしてください。
一方で自社サイトの作りが甘い制作会社は、どんなに優れたプレゼンであっても説得力がありません。営業力は高くても肝心の制作力が低いことも考えられるでしょう。提示金額等が魅力的であっても、慎重に選定する必要があります。
WEB制作会社の強みが自社に合っているか
ホームページ制作会社選びでは、制作会社の強みもチェックします。事前準備で挙げたサイトの活用方法や完成イメージと制作会社の強みがマッチすれば、より大きな効果が期待できるからです。
- デザイン力に優れている
- 同業社の案件を多くこなしていて、業界への理解が深い
- ホームページ制作の経験が豊富で大手企業の実績がある
- SEOなどの内部施策で高い評価を受けている
- 相場よりも費用が安い など
なかでも注目したいのは、課題点との相性です。自社ホームページの課題を強みとしている制作会社であれば、課題解消に留まらず強みや良さへと転換することも可能になります。
ただし、制作会社自身が強みとアピールしていても、単に注力しているだけというケースもあります。実績等からの分析も加味しながら、マッチする制作会社を見極めてください。
制作後のフォローなどサポート体制が整っているか
ホームページは制作したら終わりではありません。その後の更新や維持・管理が重要です。すべて自社で運用する予定であっても、トラブルが起きた際のフォローは必要でしょう。場合によっては、運用まで任せたい状況になる可能性もあるため、当面は予定がなくても、運用までサポートしている制作会社を選ぶのが安心です。
また、トラブル時には、迅速な対応が求められます。どのようなサポート体制になっているのか、制作チームとの連携や引継ぎについても確認しましょう。
予算内で希望通りに制作できるか
コストも大事な選定ポイントです。安さを選定基準にしがちですが、コスパだけで安易に決めて後悔しないよう注意してください。
- 概算見積だけでなく、詳細見積を取る(最終金額の確認)
- 追加費用がないか確認する
- 納期を確認する
- 公開後にかかる維持費を確認する
- 契約した場合の支払い条件(期限や支払い方法)を確かめる
以上の4項目をチェックし、その上で見積内訳によくわからない点や高すぎる項目があれば、遠慮しないで先方に問い合わせましょう。できれば、複数のホームページ制作会社から相見積もりを取るのがおすすめです。
相見積もりは断りにくいからと敬遠される方もいますが、適性価格で発注するのに役立ちます。
提案能力があるか
事前準備の段階で完成イメージを社内で共有していますが、自社の希望通りに制作してもらうのが最善とは限りません。むしろ、ホームページ制作のプロであれば、自社のイメージを上回るサイトにして欲しいところです。
ここで重要になるのが、制作会社の提案能力です。希望通りに制作するのは得意であっても、提案力のない企業では120%の成果は見込めません。提案力の有無は概算見積の段階でわかるので、採用・不採用とは別に、制作会社の意見にはよく耳を傾けてみてください。
十分なコミュニケーションが取れるか
希望通りのホームページ制作には、制作会社とのコミュニケーションがスムーズであることも欠かせない要素です。詳細に完成イメージや要望をまとめてあっても、依頼後の変更事や確認事項は意外となくならないものです。とくに運用・管理まで依頼する場合は、コミュニケーションも重要な選定基準に挙げておきましょう。
具体的なポイントは4つです。
- 対面での打ち合わせが可能か
- 担当者はしっかりとヒアリングしているか
- 実務者とダイレクトに打合せできる環境か
- 依頼主の意向の確認や報告・相談が随時おこなわれているか
2は、打合せの際によくメモを取っていたり、重要な項目は最後に復唱したりといった打合せ中の相手の姿勢で判断できます。3は、営業担当と実務者が別の場合にありがちで、見積の際に営業担当者しか同席しないと実務の際に要望がうまく伝わらない事態が起きます。正式に依頼した後も、トラブルの元になりかねません。
ほかにも、担当者がコロコロ変わるようなケースでは注意が必要です。
複数のWEB制作会社を比較
予算のところでも触れましたが、どんなにいいプランを提示したホームページ制作会社があっても、必ず複数の会社を比較検討しましょう。金銭的な面だけでなく、思いがけずに魅力的なプランを提案されるなど、よりよい制作会社に出会える可能性が広がります。
なかには、自社で時間をかけて導き出した完成イメージとは全く異なるプランを提示する企業もあるかもしれません。しかし、自社のプランが最善とは限らないため、頭から否定せずに一度は中身を吟味するのがおすすめです。柔軟に、よりよりホームページ運用ができるように、比較・検討してみてください。
迷ったら…信用できるホームページ制作会社を選ぶ
選定基準を元に慎重に検討しても、判断に迷うことがあります。クオリティの高いホームページ制作会社は多いので、甲乙つけがたくなるのも仕方ありません。
そんなときは、信用できる制作会社に依頼しましょう。契約前で付き合いが浅くても、ある程度は信用できる・できないはわかるものです。
デメリットやできないことなどは本音で伝えてくれる
どんなに優れた施策でも、費用がかさむなどのデメリットは必ず存在します。いいことばかり並べ立てるのではなく、聞かれる前に自らデメリットをきちんと明示できる会社は十分に信用できるといえるでしょう。
また、少し無茶な要望に対してなんでも「できる」「やります」といった返答をする会社は危険です。一見すると依頼する側にとっては「いい会社」ですが、無理を通せば必ずどこかに影響します。「難しいが○○までならできる」といった具合に、できないことを認めて新たに提案できるところは誠実な対応といえて安心です。
細かく詳細までわかるように説明をしてくれるか
ホームページ制作の施策にはさまざまなものがあり、詳しくない人からすれば耳慣れない専門的知識が飛び交います。専門用語を並べて流すように説明して効果ばかり強調する会社は、依頼主への配慮に欠けています。相手の立場に寄り添う制作会社のほうが信用できるのではないでしょうか。
とくに重要な点やわかりづらいポイントは、こちらが催促しなくても詳細がわかる資料を用意していたり、別に詳しく解説する時間を設けていたりといった気遣いがあると安心感が増します。
WEB制作会社の姿勢は説明のほかにも電話対応などにも現れるため、問い合わせの際の第一印象などもメモして選定の際に役立ててください。
約束を守る会社
基本的なモラルですが、やはり約束を守れる会社は信用性が上がります。やむを得ない事情で約束を守れないこともありますが、その場合も事前に報告・相談は必須です。少なくない費用をかけて依頼するのですから、契約の内容はもちろん、期日についても、依頼前の見積段階から約束を守る会社を選ぶのがいいでしょう。
また、依頼側も約束を守ることは大切です。適当な対応をしていると、いくら費用を支払っていても相手の対応がおざなりになります。クオリティにも影響するので、一方的にあれこれ要求するのではなく、いいパートナーを心がけましょう。
依頼のコツと注意点
制作会社の選定が済んだら、次はいよいよ依頼です。実は、依頼後のトラブルを回避するには、依頼の仕方にもコツと注意点があります。ここまで慎重にホームページ制作会社を選定したのですから、依頼で躓かないようにしましょう。
次の4つのポイントはWEB制作会社以外との打合せや契約の際にも応用できるので、さまざまなシーンでぜひ活用してください。
完成イメージはできるだけ明確に共有する
デザインを重視していれば、打合せの段階で完成にかなり近いイメージを確認できます。しかし、掲載内容や内部施策等を重視していてデザインはほぼお任せのような場合は、後になって「思っていたのと違う」といったことが起こりがちです。実際に制作に入る前に、できるだけ完成後の様子がわかる形でイメージを共有しておきましょう。
事前に社内で共有したイメージが具体的であると、どうしても先入観が生まれます。それをベースとするのであれば問題ありませんが、後からイメージが違うからと変更すると完成までに余分な時間がかかってしまいます。最初からできるだけ明確に共有しておくのが互いにとってベストです。
打ち合わせは記録を残す
入念にホームページ制作会社を選定しましたが、「万が一」はどんなことにもありえます。後のトラブルを未然に防ぎ、万が一が起きてしまっても泣き寝入りにならないように、打合せは記録に残しましょう。
記録媒体は、議事録でも構いませんが、ボイスレコーダーが手軽かつ簡単に利用できておすすめです。ただし、相手側にも了解を得てから使用してください。相手の会社での打合せなど、断りなく録音すると問題になるケースもあるからです。メモの補足に活用できるので、その旨を一言添えて取り入れてみてください。
実際の制作の流れを把握しておく
ホームページ制作会社への最終的な依頼内容が決定したら、実際に制作する際の流れや大まかなスケジュールを確認しておきましょう。
流れやスケジュール、担当者などがわかっていると、変更や相談、追加発注などがあっても納品日への影響を極力抑えて希望を伝えることができます。納品後に修正や運用後の不具合等が発生しても担当者にダイレクトに相談できるため、迅速な対応が期待できるでしょう。
また、制作のスケジュールを把握しておけば、無理のない日程かどうかがわかり安心できます。日程が厳しいと感じるようであれば、率直な意見を伝えて改善してもらうのがいいでしょう。自社の都合で納期までの時間が少なくなってしまったのであれば、納期をずらすなどして歩み寄ることも大切です。
営業トークを鵜呑みにしない
信用できるホームページ制作会社選びにもつながる話ですが、聞こえのいい営業トークは、あまり鵜呑みにしないよう気を付けてください。さまざまな角度から慎重に選定して本契約となっても、営業トークによっては逆に不安になることがあります。営業担当者にもさまざまなタイプがいるので、鵜呑みにしないで詰めるべき点はしっかりと確認していきましょう。
一度は決めた制作会社であっても、契約前であれば白紙に戻すことができます。これまでの対応で信用性に疑問が生じるようなことがあれば、選定にかかった時間がもったいないと思っても、再選定の決断を下す勇気が必要です。ホームページ制作依頼で後悔しないためには、最後の最後まで見極める気持ちを忘れないようにしてください。
まとめ
ホームページ制作会社選びで後悔しないための選定方法についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。選定基準のポイントについて1つずつ詳しく解説したので、納得したうえでWEB制作会社が選べるようになったかと思います。
依頼の際のコツや注意点も参考にすれば、契約後の流れもスムーズかつ安心して進めることができます。ホームページ作成はもちろんのこと、リニューアルや運用・管理等の契約の際も参考にして、満足度200%のホームページ制作を実現してください。